野菜を調理する前の下ごしらえとしてよく『アク抜き』をしますよね。
“アク”とは野菜に含まれる苦み、渋み、えぐみなどのコトで、味を損ねたり、空気に触れると変色したりする成分のことです。
なかには人体に害を与えるものもあるといいます。
ゴボウのアクについて
アク抜きを必要とする野菜で、まず思い浮かべるのはたぶんゴボウではないでしょうか。
ゴボウは皮をむいてそのまま放置すると変色してしまうので、しっかリアク抜きしなければならないと思われがちです。
ですが、最近のゴボウはアクが弱く、逆にアクを抜きすぎると、身体にいい成分が流れてしまう可能性もあるといいます。
ゴボウのアクの主成分は、ポリフェノールの一種である『クロロゲン酸』です。
クロロゲン酸には抗酸化作用があるといわれており、細胞の酸化や肌の老化を抑え、生活習慣病の予防にも効果が期待できるとされています。
つまり、ゴボウのアクは身体に悪いどころか、積極的に摂取したい成分なのです。
ゴボウを水にさらすと、浸けておいた水が茶褐色に変色します。
それがクロログン酸の正体なのです。
アク抜きせずに、他の野菜と煮こむと、このクロロゲン酸が広がってしまい、お料理の色合いも悪くなります。
見た目の悪さを防ぐため為にはある程度のアク抜きも必要です。
なので、あく抜きは、たっぷりの水に少量の酢をたらし、20~30秒くらいさらす程度でじゅうぶん。
また、クロロゲン酸はゴボウの表面近くに多く含まれていますので、軽くこすり土やヒゲを取るだけで、必要以上に皮をむかないほうがいいでしょう。
アク抜きが必要な野菜は?
一方、必ずアク抜きしたほうがいいのが、ほうれん草(法蓮草)です。
ほうれん草のアクに含む主成分は、シュウ酸と呼ばれるもので、生のものやアク抜きができていないものを噛んだときに、キシキシするえぐみの正体は、コレ。
シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を妨げ、多量に摂取すると結石や骨粗しょう症の原因になる可能性もあります。
ほうれん草は、ゆでて水にさらし、しっかりとアク抜きしましょう。
さらに、ゼンマイやワラビにも、『サイカシン』や『チアミナーゼ』というビタミンB1を分解してしまう成分が含まれているので、アクを抜かないと食べられません。
かならずしもアク抜きをする必要はないのですが、場合によってはしたほうがいいのが、ダイコンとジャガイモです。
ジャガイモは煮こみ料理のときは水にさらしたほうが良いでしょう。
ダイコンも害を及ぼす成分は含まれていませんが、苦み、辛みを感じることがあるため、水にさらすか下ゆでしたほうが無難です。
まとめ
ゴボウは力を入れると皮を落としすぎてしまうので、表面は軽く洗う程度でOK。
ゴボウのアクの主成分『クロロゲン酸』は、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、細胞の酸化や肌の老化を抑え、生活習慣病の予防にも効果が期待される。
ほうれん草やゼンマイやワラビは、あく抜きした方が良い。
ダイコンとジャガイモもあく抜きした方が無難。
ゴボウを使ったカンタン料理
ここでゴボウを使ったカンタン料理を紹介します。
基本的な料理方法なので、覚えておくと、なにかと便利です。
昔ながらのピーラー(皮むき器)を使ったきんびらの作り方
■材料(2人分)
ゴボウ | 1/2本 |
人参 | 1本 |
ごま油 | 小さじ2 |
砂糖 | 大さじ1/2 |
醤油 | 大さじ1 |
鷹の爪 | 1本 |
①ゴボウは、水できれいに泥を落としてピーラーでうすいささがきにします。
にんじんも同じように皮ごとピーラーでささがきして行きます。
②ごま油を使って、フライパンで熱し①のごぼうとにんじんを入れて強火で炒めます。
③にんじんとごぼうが馴染んでしんなりしてきたら、(砂糖・醤油・鷹の爪)を加えて、汁気がなくなるまで炒め合わせていきます。

ここで重要なのは、こぼうのアク抜きはしなくて良いです。
ゴボウは、切ってすぐに調理するときはアク抜きする必要はないです。
ゴボウの変色を抑えるために切ったら、水にさらしてください。
その際、味が特によくなるというわけではありません。
但し、水にさらしてしまうと栄養素が流れ出てしまうので、手早く切ってすぐ調理は忘れずにしてください。
油揚げ入りきんびら大根
大根(5cm)は皮がついたままピーラーでむきます。
5mm幅の細切りにしていきます。
油揚げも5mm幅の細切りにして、大根の葉をざく切りにします。
説明した基本のきんぴらゴボウの作り方と同様に、こま油で炒めて味付けをします。
ゴボウ料理のまとめ
ゴボウは、アク抜きをしないことで風味がとても良くなります。
ピーラーを斜めに引いて使えばよい長さのささがきになります。
鷹の爪はタネをとって輪切りにします。
※ゴボウのアク抜きしない方が良いことの説明からゴボウのカンタン料理を説明しましたが、ゴボウについての内容がお分かり頂けましたでしょうか?