ごはんというものは、炊きたての熱いうちに食べるのが一番。
なのですが、その日のおかずや予定外の外食などで、ごはんがあまってしまうこともよくありますよね。
炊飯器には、保温機能がついていますが、長時間置いたままにすると、ごはんに黄ばみや悪臭が発生し、食感も悪くなるのでこれは絶対にさけたいところです。
ということで、ごはんを容器に入れてラップをかけ、冷蔵庫へ保存するのは最悪の選択です。
というのも、この保存法では米の主成分である【デンプン】を大きく劣化させることになるからなのです。
米の特質を知ろう!
米のデンプンには『アルファデンプン』と『ベータデンプン』があり、炊く前の生米に含まれているのがベータデンプンで、水に溶けにくく食べても消化するのが遅いという特徴があります。
でも米を炊飯器で加熱すると、ベータデンプンの内部に水が入りこんで膨らみ、粘り気のある半透明の物質に変化していきます。
そうしてできあがったのがアルファデンプンで、この過程は“糊化”とも呼ばれています。
また、米をしっかり噛むと甘みを感じますが、これもアルファデンプンが唾液に含まれる消化酵素によってマルトース(麦芽糖)と呼ばれる糖類に変化するためです。
つまり、アルファデンプンは米のうまみを最大限に引き出している成分といえます。
ところが、このアルファデンプンには欠点もあります。
それが「低温に弱い」ということ。
アルファデンプンは0~4℃の所に置かれると、徐々に水分が抜け、再びベータデンプンに戻ろうとする性質があるのです。
冷蔵庫内はまさにこの温度なので、長時間保存するとパサパサで粘り気のないご飯になってしまうのです。
ごはんのベストな保存法とは?
ごはんの最も良い保存法とは『冷凍』することです。
アルファデンプンは低温に弱いのですが、冷凍庫内のマイナス-8℃前後まで温度が下がるとベータ化しなくなります。
なので冷凍すると、ごはんはアルファデンプンの状態を維持することができるのです。
そして、冷凍する時は、炊きたてのうちに小分けし、ラップで包むようにしましょう。
冷えてしまうと、ごはんが固くなって、味が落ちた状態で保存することになりますので、これではおいしくごはんを保存することはできません。
また、冷凍庫に入れる場合は、ご飯を平らにして広げておくとより良いでしょう。
なぜならこうすることで、解凍する時、均一に電子レンジの熱が伝わるようになるからです。
さらに、熱伝導率の高いアルミホイルでご飯を包めば、より早く旨みを閉じこめたまま冷凍できます。
ところで、冷蔵保存してしまった残念なごはんも、おいしく食べる方法はあります。
それは、チャーハンやチキンライスなどに使うことです。
水分が抜けて粘り気がないぶん、パラッと上手に仕上げることができますよ。
ぜひ、お試しくださいませ。
ここで、パラパラ黄金チャーハンの作り方を解説します。
結構カンタンですので、覚えて頂ければと思います。
パラパラ黄金チャーハンの作り方
■材料(2人分)
ごはん | 茶碗4杯分 |
ねぎ | 1/2本 |
卵 | 1~2個 |
ハム | 2枚 |
中華調味料 | 少々 |
サラダ油 | 大さじ1 |
①ラップをしないで、ご飯をレンジで加熱して下さい。
そして、ご飯をサラダ油を入れて、良く混ぜて合わせます。
②葱とハムを細かく刻み、フライパンを強火にして熱し、卵の順に入れて炒めます。
③卵に火が通ったら、葱とハムを加えさらに炒めて、中華調味料・塩・胡椒で味付けをします。
■ポイント
・一回で大量に作らないようにしましょう!
大量に炒めると粘りが出てうまくいきません。
一度に作るのは、こ飯茶碗3~4杯分ぐらいまでです。
・強火で一気にチャー八ンを炒めましょう!
強火で炒めないとベタッとしてしまいます。
冷やこはんは温めてから使うように。
・火をつける前に必ず材料を用意
・手際よく、パパッと仕上げるのがコツ!
■裏ワザ
・ごはんに油を混ぜて炒めることで
お米の一粒一粒に油の膜ができることで
パラパラになります。
・ごはん溶き卵をしっかり混ぜておき、
炒める方法もあります。
炒り卵ができない方はこの方法が便利です。
これで冷凍のご飯を利用してパラパラ黄金チャーハンを作ってみて下さいね。
まとめ
ごはんの最も良い保存法は『冷凍』。
米は、その特質上、冷凍する時は炊きたてのうちに小分けにし、ラップで包む。
冷蔵保存してしまったごはんは、チャーハンやチキンライスにすると良い。