「食べたらすぐに、はみがきをしなさい!」
子どものころ、親からこんなふうに言われたりして、怒られたという記憶がある人も多いことでしょう。
じっさい、1960年代には、子どものムシ歯を防ぐため、1日3回、3分間、食後3分以内に歯を磨くという『3・3・3運動』が日本全体で推進されていました。
そのかいあってか、日本では「食後は、すぐに歯を磨く。」という習慣が定着したようですが、じつはこれは歯にとっては、あまりよろしくない残念な磨き方であるという衝撃的な事実が、最近、判明してしまいました。
食べてすぐに歯を磨いてしまうと、歯を傷つけるおそれがあるそうです。
というのも、食事直後の歯は、カリウムやリンが溶けでて、かなり柔らかく敏感な状態になっているためなのです。
歯が再石灰化するのには、30~60分かかるので、それまでは歯ブラシで刺激を与えるのは避けるべきでしょう。
歯ブラシ
歯ブラシに、はみがき粉をたっぷりとつけて、歯をゴシゴシと、長時間かけて磨くのも、NGだそうです。
しかも、その歯ブラシを買い替えないで、ずっーと愛用しているものだとしたら、もっと最悪だということになりますよね。
とにかく、お口のなかは、思いのほか雑菌が多く、使い慣れた歯ブラシというのは、毎日、このような口のなかを、引っかき回していることになるからです。
そのため、歯ブラシは1か月も使用すると、毛束に細菌がびっしりと付着してしまい、不衛生このうえないということになります。
歯ブラシはマメに変えないと、逆に汚れを口のなかにばらまく結果になりかねないと言いいます。
そのうえ、強く歯を磨きすぎると、表面のエナメル質が削られてうすくなり、虫歯予防どころか、逆に歯の大きな欠損につながることもあります。
舌運動で唾液の分泌を促そう
そして、はみがき粉なのですが、これも爽快感を覚える程度の役割と考え、少しだけの利用で抑えたほうが良いでしょう。
はみがき粉に入った界面活性剤などの成分で、舌の粘膜を傷める危険性があるからです。
はみがきで一番頼りになるのは、唾液の力だといえるでしょう。
唾液が豊富だと、水だけでブラッシングでき、さらには舌で歯の裏をなぞることで、口内の食ベカスを洗い流すことができます。
したがって、口内の唾液の分泌を多くすることが、きれいな歯をつくる一番の近道だと心得ましょう。
唾液の分泌をうながすには、口を閉じて、上下左右の歯の裏を舌でぐるりとなぞる『舌運動』がおすすめだそうですよ。
そして、糖分ゼロのガムを噛むのも効果的だということですので、ぜひ、参考になさってください。
小さい時から歯は直ぐ磨くものと学校でも家でも言われてきました。
これは当たり前の習慣だったので、何も考えずにしていた行動です。
常識と思っていたことが間違いだったということは、結構あることですが、歯磨きに関してもこのことは覚えておいてください。
また歯を磨くときは、歯の表面ではなく、歯と歯の間を磨くことが虫歯予防になります。
最近、歯の隙間を磨く、デンタルフロスや歯間ブラシなどもありますので、虫歯予防には良いかと思います。
ただ、人によって歯ブラシ同様にサイズがありますので、自分に合ったものを使用して下さい。
まとめ
食後の歯は、カリウムやリンが溶けでて、かなり柔らかく敏感な状態になっているので、食べてすぐにはみがきをすると、歯を傷つけるおそれがあるので、食後1時間くらいにみがくのがおすすめ。
歯ブラシはマメに変えないと、逆に汚れを口のなかにばらまくことになるので気をつけよう。
口内の唾液の分泌をおおくすることが、きれいな歯をつくる一番の近道なので、舌運動で唾液の分泌を促しましょう。