一般的には、罪を犯したとしても、自首をすれば、刑は軽くなると思われがちですが、それは、時と場合によります。
たしかに、調べてみると、刑法42条1項には「自首をしたときは、その刑を減軽することができる」と記されています。
但し、その前に「捜査機関に発覚する前に」という文言があるのです。
つまり、自首が成立するためには、犯罪が行なわれたことが警察に知られていないか、或いは犯罪が発覚していても犯人が不明な段階である必要があるのです。
いいかえれば、容疑者が特定され、指名手配をかけられた状況で警察に出向いても、それはもちろん自首扱いにはならず、罪も軽減されないのです。
そして条文にもあるように、減刑は『できる』ものであって義務ではないということです。
結局、罪が軽くなるかどうかは、裁判官の判断に委ねるということです。
自首や示談による減刑
減刑が認められた場合、刑期はどれほど短縮されるのでしょうか?
刑法68条では、刑の減軽方法についての定めがあり、死刑であれば無期懲役や10年以上の懲役、無期懲役なら7年以上の有期刑、有期の懲役ならその2分の1を減ずる旨が記されています。(どの減刑も各懲役と同期間の禁錮の場合もある)
そして実際の裁判では、罪状に応じて具体的な刑期が定められることとなります。
同様に、刑を軽くしようという思いに従って行なわれるのが『示談』です。
例えば、名誉毀損罪や侮辱罪、器物損壊罪などは、告訴が必要な親告罪ですが、示談によって告訴が取り下げられたり、裁判になっても情状酌量の根拠になったりします。
親告罪ではなくても、やはり加害者と被害者のあいだで示談が成立していれば、執行猶予がついたり、刑が軽くなったりすることもあります。
示談は民事上のことで刑事に絶対的なものではない
だからといって、示談がかならずしも効果を発揮するというわけではありません。
そのひとつの例は、告訴を取り下げる期間が過ぎてから示談が成立した場合です。
親告罪は、被害者からの告訴を受けてから、検察は起訴を行います。
ただし刑事訴訟法によると、いったん起訴されてしまうと、そのあとに告訴を取り下げることはできません。
したがって加害者が起訴を免れようと思えば、検事勾留の期間中に示談にし、告訴を取り下げてもらう必要があります。
また、親告罪以外の刑において示談が成り立っていたとしても、裁判官が必要と認めれば重い刑を科すことはできるのです。
つまり、示談による慰謝料の授受は民事上の問題であり、刑事に影響は与えたとしても、それが絶対的なものではないということです。
とはいえ、自ら罪を悔い改め、自首もしくは示談をするのは、決して間違いではないでしょう。
検察や裁判所も、容疑者が本当に反省しているのであれば、その意思を酌んでくれるはずです。
ですが、単純に罪を軽くしようということであれば、思わぬしっぺ返しをくらうことにもなりかねないのは言うまでもありません。
今回、自首すれば刑は軽くなるということで色々調べてみましたが、自首すれば系は軽くなるものと思っていましたが、そうではないということで、今回のこと以外でも法律は思っているのと違うこともあると感じました。
常識と思っていることで違うのではないか?という内容のものを調査して、今後もブログに掲載していきます。
まとめ
・自首とは、犯罪がまだ警察に知られていないか、または犯罪が発覚していても犯人が不明な段階である必要があり、罪を犯しても自首すれば、刑が軽くなるという意味ではない。
・示談はあくまでも民事上のことであり、刑事に影響は与えても絶対的なものではないため、単純に罪を軽くしようという意図があれば、思わぬしっぺ返しにあう可能性も…。