あなたは会社や友人などの会話の中でイライラしていることを指摘された時、このようなアドバイスをされたことありませんか。
「カルシウムが不足しているんじゃないのか? 」とか「魚類の食事は取ってる? 」とか「牛乳は毎日飲んでる?」など、一般的にそれが正しいと思っていってるということはあるのではないでしょうか?
しかし、カルシウム不足によるイライラにつながる感情になるという説は、これといって根拠が見あたらないのです。
イライラ=カルシウム不足説の起源とは?
どこかで一度は聞いたことがある『イライラ=カルシウム不足』説というのは、高度経済成長期がピークを迎えた約50年前の1970年代ごろから広まりはじめたとされています。
当時、急速な経済発展を遂げた日本。
ですがそれと同時に、空気汚染やオイルショックなどが起こり、人々はストレスも抱えることになってしまったのです。
さらにこのころは、日本の食生活も大きく変化した時期でもありました。
魚中心の和食から肉中心へと、欧米化が一気に加速していきました。
これに目をつけた某雑誌が、「ストレス社会の原因はカルシウム不足」という題名の内容の記事を掲載したのです。
それから、「ストレスはカルシウム不足が原因」という風潮が広まったとも言われています。
幸せホルモン『セロトニン』を積極的に摂取しよう!
そもそも人間は血液内のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられているカルシウムから補うという仕組みになっています。
そして、それでも不足してしまうほど血中カルシウムが足らなくなると、イライラするというものどころでは済まなくなってしまうのです。
イライラと深くかかわりがあるのはカルシウムよりも『セロトニン』という脳内の神経伝達物質です。
セロトニンは、別名“幸せホルモン”とも呼ばれており、神経を興奮状態になる『ノルアドレナリン』や、快感を増幅させている『ドーパミン』と並んで、精神面のバランスを整える作用をもっています。
なので、これが不足すると、ストレスを感じやすくなるわけです。
ですが、セロトニンの原料である必須アミノ酸の『トリプトファン』は、人間の体内ではつくられていません。
豆腐や味噌、醤油、納豆といった大豆製品、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、あるいはバナナやアボカド、アーモンドなどに多く含まれているので、おやつや食事には意識的に摂リ入れることをおすすめします。
ちなみに、「甘いものを食べると幸せになる」というのは、強ち気のせいではなく、精製されている砂糖はセロトニンの値、血糖値などを上げる作用があるのです。
ただし、砂糖により上がったセロトニン値は、とても短い時間で下がっていき、 一気に気分がふさいでしまうということもあるようですので、ご注意を…。
まとめ
カルシウムが足りないからイライラするというのは根拠がなく、高度経済成長期にある雑誌の記事がもとで広まったという説がありますが定かではない。
カルシウムよりイライラと深くかかわりがあるのはセロトニンである。
セロトニンの原料の必須アミノ酸『トリプトファン』は、人間の体内ではつくられていないので、積極的に食事に取り入れることが大事である。
※今までというかかなり前から、カルシウムが不足しているとイライラするというのは当たり前のように話を良くしていました…。今回、カルシウムのことを調べてこのような背景があったことにビックリしました。
今までずっと間違いと思ってきたことが違うということはたくさんありますので、これからも疑問に思うこと、特に常識だったと思うことがそうではなかったという内容のものを収集してこのブログで紹介していきたいと思います。