気温の上昇によって、最近よく耳にするのが『熱中症』という言葉。
それは、体温調節機能のバランスが崩れてしまうことで起こります。
人間には、適度な体温を維持するために、汗をかいたり皮膚温度を上昇させたりして熱を放出する機能が備わっています。
ですが、急激な気温や湿度の上昇や直射日光を浴びすぎたりすると、調節機能が損なわれ、めまいや立ちくらみが起こり、筋肉がけいれんします。
そしてさらに症状が進むと意識が薄れ最悪の場合は死にいたることもある怖いものなのです。
そんな熱中症を防ぐために、多くの人は水分補給を行いますよね。
しかし、水分を多くとりすぎると、かえって別の症状に苦しむことにもなりかねません。
それは『水中毒』です。
水中毒
水は人間の生命維持に不可欠でありながら、摂取しすぎると危険を伴う場合もあるのです。
2007年、アメリカのカリフォルニア州で水飲み大会に参加していたある女性はこの大会後に頭痛とめまいを訴え数時間後に死亡したという事例があります。
彼女の死因は、過度に水を摂取したことによる『急性水中毒』でした。
人間は、水の摂取量が限界を超えてしまうと、細胞が膨張してナトリウムなどの体液成分が極端に薄くなります。
その結果、めまいや吐き気、手足のむくみといった症状が現れ、時には脳髄すら膨れあがらせると言われています。
重症になると、脳の圧迫による重い頭痛や意識障害を起こし、命を落としかねません。
このように、熱中症を防ごうとして水分を過剰に摂取すると、逆に水中毒に陥ってしまうこともあります。
そしてさらにやっかいなことに、水中毒の症状と熱中症の症状がよく似ています。
熱中症と水中毒
熱中症は水分不足だけでなく、汗とともに排出されるナトリウム不足も原因となっています。
暑いときに水分と一緒に塩分摂取も必要なのは、このためです。
つまり、熱中症はナトリウムが足りなくなり、水中毒はナトリウムが薄くなる、と両者の原因はほぼ同じということです。
そのため、熱中症だと勘違いして水を飲ませ、水中毒の症状を重くしてしまうという可能性も否めません。
熱中症予防の水分補給は、コップー杯程度の量を数回に分けて飲むことです。
冷えたものより常温のほうが吸収率は高くなり、真水よりもミネラル分の多いスポーツ飲料や麦茶が効果的です。
また、カフェインには利尿作用があるので、コーヒーや緑茶は避けたほうがよく、ビールなどのアルコール飲料も禁物です。
近年、『経口補水液』も市販されていますので、それを活用するのも良いでしょう。
そして、水分とともに摂っておきたいのが塩分です。
食塩をそのままなめても良いのですが、苦手な人は梅干や塩飴を活用しましょう。
そして最も大切なのは、体温調節機能を十分に発揮させるために体調を整えておくことです。
また、熱中症対策として、最近は色々なグッズなども販売されています。
会社は涼しいけど、出勤途中・帰宅時には、電車も満員でとても暑いですよね。
毎日、猛暑が続くと、体力も低下して、熱中症にもなりかねませんので、自分の身は自分で守るということを心がけて下さい。
熱中症対策グッズとして、首部冷却ネック・ 涼感スプレーなど、あと外の作業の仕事をする人のための空調作業服なども最近は熱中症対策グッズも良い物がありますので、試すのも良いかもしれません。
また、キュウリが熱中症対策に良いと聞きます。
キュウリは95%が水分で、1本食べれば100㏄の水分補給となり、低カロリーですので、ダイエットにもなりますので、オススメの熱中症対策の野菜です。
まとめ
暑い日の水分補給は「一度にたくさん」ではなく「コップ1杯分を数回に分けて」飲み、水分とともに塩分の補給も忘れずに!
体温調節機能を十分に発揮させるために普段から体調を整えておく。