肉を特売日に多めに買って、その日に使わない肉は小分けにして冷凍庫にストツクしておくというのは、多くの人がやっている節約術。
では、その冷凍した肉を調理する時、あなたはどのような方法で解凍していますか?
意外と多いのが、肉を冷凍庫からだしてきて、そのまま置いておく、すなわち常温の解凍ではないでしょうか。
確かにこれはラクなのですが、一番やってはいけない解凍方法でもあるのです。
なぜなら、肉を長い時間室内の空気にさらすということは、それだけ細菌に触れさせることでもあるからです。
食中毒をもたらす細菌がもっとも繁殖しやすい温度は、30~40℃と言われています。
なので、夏場に常温解凍するのは、最悪の選択であることが分かるかと思います。
この方法で得をするのは、細菌だけです。
電子レンジの解凍モードを使って解凍するのは?
電子レンジの機能にある解凍モードを使うとどうなのでしょうか。
これも機械まかせでとてもラクな上に、すぐに解凍できるように思えますが、この方法も決して賢明とは言えません。
電子レンジは、食材中に含まれる水分をマイクロ波で振動させ、その摩擦熱で加熱します。
そのため、少しでも肉に溶けはじめている部分がある場合、熱がその部分に集中的に反応し、解凍ムラができてしまいます。
また急速な解凍をすることで、凍っていた肉汁までいっせいに溶け出し、せっかくの旨み成分を逃がしてしまうことになります。
これでは、せっかく安く買ったお肉が、おいしく食べることができませんよね。
冷凍肉の失敗しない解凍方法
冷凍した肉の最も失敗しない解凍方法は、冷凍肉を冷蔵庫に移しておくことです。
低温でゆっくり解凍させると、肉の表面と中心部分のあいだで温度差が生じることなく、肉汁の流出も防ぐことができます。
ただし、この方法で問題なのは、時間がかかりすぎてしまいます。
肉の種類や大きさによっても異なりますが、解凍までに要する時間は、だいたい6~10時間です。
そうすると、前日の夜から冷蔵庫に移しておく必要があり、この方法はあまり現実的ではありませんよね。
なので少し手間はかかりますが、低温解凍の時間を短縮しつつ、旨みも保つことができる方法が良いでしょう。
まず、氷水をたっぷり入れた鍋の中に、ビニール袋で包んだ冷凍肉を浸しておきます。このとき水が入ってこないように、ビニール袋は二重にすると良いでしょう。

そして肉が解凍するまでの間、適度に氷を加え続けます。
この方法であれば、1~2時間程度で解凍できます。
また、肉を冷凍保存する際にも、ひと工夫するだけで、旨みや風味を保つことができます。
それは、肉をトレイから食品用ラップに移し、包んでおくことです。
発泡スチロールでできたトレイは、熱伝導が悪いので、肉が凍るまでに時間がかかってしまいます。
そうなると肉の細胞が壊れて、解凍時に肉汁がでやすくなってしまうのです。
同じ冷凍・解凍でも、より失敗しない方法を選択することが、おいしく肉を味わうためのコツといえるでしょう。
解凍した肉を利用して作るふっくらハンバーグ
せっかくなので、解凍したお肉を利用してできる“ふっくらハンバーグ”の作り方を説明します。
■材料(2人分)
牛ひき肉 | 200g |
玉葱 | 1/4個 |
溶き卵 | 1/2個分 |
パン粉 | 大さじ2 |
はんぺん | 1/2枚 |
塩・胡椒 | 少々 |
①玉葱の微塵切りを電子レンジ(600w)で2~3分加熱して、粗熱をとります。
玉葱、挽き肉、その他記載の材料(ハンペンは細かく千切る)をボウルに入れて、良く練り混ぜます。
②サラダ油を手に塗って①を小判形に丸めます。真ん中に凹みをつけておきます。
③フライパンを熱してから油を馴染ませます。②を片面にコンガリ焼き色が付いたら、ひっくり返します。そして、もう片面を焼きます。
■ポイント
・つなぎには、細かく千切ったはんぺんを混ぜるのが裏ワザ。
ふっくらで柔らかいハンバーグに!
・良く肉が固くなってしまうという方は、練り不足が原因です。
肉の粒がなくなり、ねっとりとなるまで練ることが大事です。
■赤ワイン風味ドミグラスソース
小鍋に適量の赤ワインを入れて煮立てアルコール分を飛ばします。
そこヘドミグラスソース(缶詰)を加えて2~3分煮詰めれば、すぐにレストランの味わいになります。
・肉を焼いたフライバンをそのまま使って、ケチャップとウスターソースを煮詰めればソースの完成です。
・最後につけあわせに冷凍ポテト・缶詰のコーンを添えて下さい。
これでふっくらハンバーグの完成です。
カンタンにできますので、一度試してみて下さいね。
まとめ
解凍する時は、ビニール袋に包んだ冷凍肉を氷水に浸けると、旨みや風味を保ったまま解凍時間も短縮できる。
冷凍する時は、肉をトレイから食品用ラップに移し包んでおくと早く凍るので、解凍時に肉汁が出にくい。