スマートフォンやデジタルカメラを使う上で、なくてはならないのがバッテリーではないでしょうか。
そのバッテリーの充電に関してですが、「バッテリーは使い切ってから充電したほうが長持ちする。」というようなことを、きっと一度は聞いたことがあるかと思います。
そのため、ユーザーのなかには、バッテリー残量がゼロ近くになるまで使ってから充電するという人も、結構いたかもしれません。
しかし今これは、たいして意味のないことなのです。
メモリー効果
たしかに、かつては『使い切ってからの充電』が推奨されていた時期もありました。
それはバッテリーに、『メモリー効果』と呼ばれる現象が起こることが原因でした。
メモリー効果とは、容量が残っているにもかかわらず、電池の電圧が自動的に落ちてしまう現象を指します。
これは、バッテリーヘの“継ぎ足し充電”が原因とされていました。
このような現象は、バッテリーを使い切らないことで、電池が使用時間を“記憶”し、再度使用する際に、前回の残量に達したレベルで、電圧にストップをかけてしまうことから起きていたのです。
たとえば、電池の残量が30%の段階で充電をはじめると、つぎは全体の70%の電圧しか使えなくなってしまうということになります。
このようなメモリー効果が起こるために、「使い切ってから、充電をした方が良い。」と言われるようになったのですが、メモリー効果はニツケル・カドミウム充電池(ニカド電池)や、ニッケル水素電池にのみ起きる現象です。
リチウムイオン電池
ひと昔前のCDプレイヤーなどには、ニカド電池が使用されていたが、現在のスマートフォンやノートパソコンなどのバッテリーには、『リチウムイオン電池』が使われています。
リチウムイオン電池は、ほかの電池にくらべてエネルギー密度が高いことが特徴で、小型で軽量なバッテリーをつくることができます。
そして、リチウムイオン電池には、メモリー効果は起きないので、継ぎ足し充電をしても、全く問題はないということになります。
ですから、スマートフォンやデジタルカメラの充電は継ぎ足し充電しても良くなったというわけです。
ちなみに、最近のニッケル水素電池のなかには、メモリー効果を最大限に回避できる商品も販売されているので、購入の際には、ぜひ参考にしてみて頂ければと思います。
最近、定着している電動アシスト自転車がですが、スマホのバッテリーと一緒で出始めの頃は、ニカド電池が使われていました。
そのため、走行中で止まることもあり、バッテリーがないと鉄の塊というほど重くて、下り道ぐらいしか走ることができませんでした。
更に走行距離も20kmぐらいしか走行できず、普通の自転車の方が良いかと感じました。
その後、継ぎ足しが充電ができるリチウムイオンが主流となり、走行距離は今では、70km(7時間)近くまで走れるようになり、安心して、走行できるように変わってきました。
自転車もそうですし、電気自動車も性能が上がってきていると思います。
今回、スマホのバッテリーを調べていて、以前の常識でスマホは電池がなくなってから充電するというのを普通に使っていましたが、時代によって色々変わってくるのだと感じました。
昔の常識にとらわれず、色々情報は知っておくべきですね。
まとめ
昔は、スマートフォンやデジタルカメラの充電池に、ニツケル・カドミウム充電池(ニカド電池)が使われていた。
なので、ニカド電池の『メモリー効果』をさけるため、“使い切ってからの充電”が推奨されていた。
しかし、今は『メモリー効果』が出ないリチウムイオン電池が使われているため、継ぎ足し充電をしても、全く問題はない。
最近のニッケル水素電池のなかには、メモリー効果を最大限に回避できる商品も販売されている。